おやすみ。



目覚めてベットから そっとぬけだす

裸足を伝う ひんやりした温度

ぽっ と音をたてる ライターで

煙草にひをつけて

  寒いせいと煙草のせいの

白い息をはく

ふっ と息をついて 振り返ると

まだ 夢の中の君がいた

もしかしたら これが夢じゃないかって

何度も 何度も思っては

自分のほほを抓ってみる

僕のほっぺたは じんと痛い

じっ と煙草のひが手に落ちる

いたっ て声をあげないように



僕は どんさくてよく失敗する

その度に 幾度も ちいさくこえをあげる

それでも懲りずに 何かをしでかす

こえを殺して もがいていると

夢の中のはずの君の手が僕のあたまを撫でる

ふわっ て優しく撫でてくれる

ひんやりした部屋の中で

ゆいいつあたたかい場所

危ないものが多い中で

ゆいいつ痛くない場所

そしてまた そっとベットにもぐりこむ

そして君といっしょに夢の中に─